IPS-300 修理依頼品



2016/9/17

東京都 K 様 修理依頼品 AC100V/117V 50Hz/60Hz 切り替え 出力220W AC電源
二三年前メンテしたとの事 電源を入れるとまず突防?リレーがON 緑LEDが点滅後接続リレー動作音がしてAC100V出力が一瞬出てその時トランス唸り音がしてリレー遮断 又点滅に戻り出力は出なくなる
ハルモニア社は既に無く どの様な物か資料がないので概略構成を追ってみた 50Hz/60Hz sin信号をリニアアンプでBTL接続して出力トランスをドライブすることで絶縁されたAC電源を供給し基板内にCTが設けてあるので過電流検知保護はするようだ
アンプの電源はAC100Vライン入力を直接整流して中点を生成しGNDとした±B 70V程とする独特なもの 従ってアンプ基板自体GNDが充電部となるのでチェック時感電、特にオシロ接続時(我が家のオシロはアースを取っていない)など 注意が必要と思われる




差動両出力をモニタすると片側(スレーブ?)が動作していない
動作しない片側基板のケミコンがグラグラで引っ張ると抜けてきた
この基板が怪しいので外してみる


発熱が激しいのか何ヶ所か抵抗が変色している
抵抗ディレーティングはOKと思われるが抵抗自体の問題か…




基板ハンダ面を見るため放熱器に基板が固定されているので放熱器を外してみるとシリコンが乾きあまり付いていない


基板ハンダの状態は余り良くない 気になる所を修正
ドライブ段Tr、パワーTrなど半導体は正常そう
前のメンテで抵抗が交換されている 5.6Kが5.1Kプラス470Ω これを余裕をみて3Wに交換
ここはゼナーで±15Vを作るシリーズ抵抗部 此処も計算上0.9W弱 可也熱くなる




いきなり正規電圧を印加するのは不安があったので基板ハンダ修正後±B電源を電流制限を掛けた外部電源で負荷トランス結線を外して無負荷で動作確認
電源電圧が±32Vと低いのでSIN頭は電源電圧でクリップしているが両側基板の差動出力は出た


放熱器を外したので序に溜まっている埃を掃除
放熱器をベークで浮かせてあるのは万が一基板Assy POW Trが破損してもボディに充電部を接触させないためか?
パネル面VRもボディから浮いている



基板は正常になったと思われるので放熱器と基板を合体する為マイカ板を掃除してシリコンを塗る 



動作していた側(マスタ?)基板も点検 抵抗塗装が剥がれていた270Ω 変色していた3.9Kも序に3Wに交換 シリコンも塗り直し


ケミコンの±Bをパワー基板へ供給するシリーズに入った抵抗がジャンパでパスしてある 前にメンテされた時に入れられたものか?
パワーTr保護の為にヒューズ代わりに入っていると思うがどうしたものか レギュレーションが良くなかった?…



まず出力トランスを外した状態で正規の±Bを印加すると綺麗なSIN差動波形が出力された
オシロは50V/divなので各アンプは100Vp-p出ている 緑LEDが点滅後リレー音がして点灯に変った
大丈夫そうなのでトランスを接続 110V 58.4Hzが出力された




出力電圧が少し高すぎる 又周波数もやや低い 調整VRが多くどの様な関連があるのか分からないが手探りで約105V,60Hzに出来たがこれが正しいのかは?時間が経つと電圧が若干上がっている 40〜50W程の軽負荷を動作させてみる 之でもかなり熱くなり出力は103V程に下がる こんなもんだろうか?




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