A-11


2019/8/26

”急に音が出なくなった パワーアンプ部は動作していそう”
動作確認してみるとやはりパワーアンプは動作しているがプリアウトからは信号が出てこない
後ろパネルは可也大きな凹みがある 輸送中ACプラグで押された様だ
SP端子、極太ACケーブル、プラグも交換されている 可也手が加えられた物か?


中を見てみる 
フラットアンプトランジスタ コレクタに電圧が掛かっていないので電源が動作していない様だ
後ろパネルの凹みの修正の為パネルを外す
パネルは分割になっている


パネルは一先ず外して置いておく
フラットアンプを外す為には前パネルも外し固定シャーシを外す必要がありメンテの事は考慮されていない構造設計



イコライザ基板とフラットアンプ基板はベース基板にL型ピンでハンダ付けされているので此処も外す必要がある コネクタにして取り外し易い様には考えないのか?之を見るとサービス、製造現場の事は余り考えない設計? 製造もし難いと思うが…



やっと基板が取り出せた 基板を観察
ケミコンの一部が交換されている
放熱器とその右側が電源回路の様だ 電源回路は少し複雑で一般的なものではなさそう


外部電源でアンプに供給するとアンプ自体は動作している アンプの不良で電源が壊れたのではなさそう
電源部入力に電源を供給しても電源出力は出てこない



基板はフラックスで汚れていたので洗い流して綺麗にしておく
回路図は無いので基板電源回路を追ってみた
何だこの回路は?今まで見た事が無い
自分なりの見解では定電流源をトランジスタによるシャント抵抗で電圧を制御している 誤差アンプ比率では出力±35V程になるはず? 大電流化したシャントレギュレータ電源の様だ シャントレギュレータは基準電源に小電流で使われるが 之だけ電流を流すと可也効率は悪そう NECはA-10のリザーブ電源に始まり電源に拘っていたようだ この基板の電源方式に利点はあるのだろうか?トランス供給元から見ればほぼ一定と思われるので安定度は良いと思うが シャントレギュレータは高周波領域でもインピーダンスが上がらずノイズが低く抑えられるのでアンプの音は良くなるとの能書きはあるようだが…
回路を追っていてJ-FETの実装はシルクと逆が正解でJ-FETはゼナー定電流用に多用されていてゼナーを調べるとショートモードで壊れている J-FETに問題があるのか?+側基準電圧用ゼナーが短絡していたので基準がOVとなり+側出力電圧が出なくなっていたようだ




電源入力から電源を供給して動作確認 未だ動作がおかしい ゼナー電圧が不足してオペアンプ電源も正規に達していない
J-FETの定電流が不足するのか? (後で解ったのだが入力電圧が低いと誤差アンプが電圧を上げようと振り切り逆電圧となり吸い込み側クランプダイオードに電流が流れオペアンプ電源が食われる動作状態になり電源電圧が下がってしまう)
電源部J-FETを外して IDSS を計ってみた 一番左の4個は3mA〜4mA) その右隣2個は2mA台 残りは1mA以下 一番右は0.15mAと不良
またゲートをピンチオフにしてもIDがリークするものがあり劣化が伺える(2SK104はVGDSが30Vで35V程掛かる箇所があるが…)元々J-FETはばらつきが多いが回路に合わせ損失がオーバしない IDSS を2SK30A GR,Y,Oから選別 交換してみる




放熱器は相当熱くなるのかグリスの油分は飛んでパサパサになっている
シリコンシートにして放熱器を取り付け



フラットアンプ出力段Trもイコライザ出力Trと異なっている イコライザには放熱器が付いているがフラットアンプTrはBCEの方向が違うので付けられなかった様だ 放熱器取り付け穴はあるのだが…之が本来の姿なのか?ここも替えられたのだろうか 発熱で基板が変色している 放熱器は必要と思うが…
放熱器を付けておく




誤差アンプの比率を1:1にすれば電源出力は基準電圧と同じ±15Vになるはず (手持抵抗の都合で1:1にはなっていないが)自分のこの回路に対する考えが合っているか試してみる LTspiceでもシュミレーションは可能だが回路入力が面倒なので実機で確認してみる
計算値に近い動作をしたので元に戻せば予想値の±35V程になるはず ±17V程でもでもアンプは動作している(ゼナーの差で多少プラマイの電圧差はあるが…)
低い電圧でも放熱器は触れない位熱くなる 放熱器アルマイトが変色しているのは頷ける
之で動作すると思うので本体に組み込んでみる

続く





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