CF-3800


2017/2/19

”ネットで手に入れたがチューニング指針が動かない カセットの再生も出来ない”東京都 K 様修理依頼品
ラジカセは之まで手がけたことは無かったが当時の高級機らしい
ライン入出力、MIC入力、フォノ入力もありかなり高機能


プラメッキはくすみ汚れていたので磨いておいた
銘板が浮いてスライドVRツマミが擦れて傷が入っている




カバーを外して中を見てみる 可也中も汚れている 目盛りパネルは埃が溜まり拭くと綺麗になる(右半分拭いたところ)
チューニングを廻しても滑って指針は動かない
バリコン駆動ギヤ部のグリス固着で糸が滑る 茶色のこってりグリスを落し組み付けでスムースに指針は動く様になった




カセットメカを外してみる 之まで多くのカセットデッキを手がけたがレバー式のカセットメカの経験は少なくTC-4550SD以来2度目 キャプスタンベルトは伸びて滑っている
在るべきベルトが切れて無くなっている
カウンターベルト、リールに掛かったベルトも伸びていたので交換 



ベルトは交換して各部を掃除したのでテープを再生してみると回転が速くスピード調整が出来ない
FGサーボが無制御状態でフル回転 ボリュウム摺導子が外れてボリュウム不良 調整が表から出来るようハンダ面にボリュウムを取り付け 
速度調整は出来るようになった



早送り 巻き戻しが出来ない
アイドラゴムの表面を鑢っておいてもカウンターシャフトのグリスが固着ぎみで重たくアイドラーが滑ってしまう


次の問題 オートシャットオフが出来ない なかなか機構が理解出来ず回り道したがL型ツメの位置が外れていたのが分かった
これでメカは一通り動作出来るようになった




カセットの音を聴くとRchの音がLchに比べ小さく高音も出ていない モードSWやバランスVRを動かすとガリが出るので外して掃除
バランスVR摺導子が片側曲がっていて触ると簡単に折れた 幸パラになっているので何とか導通は確保出来ている



モードSWを分解
かなり汚れている




ファンクションロータリーSWにもガリ
3段タイプでシールド板が挟み込まれている
各段裏表掃除して接点グリスを塗って組み立て




メイン基板の録音切り替えSWも見ておいた方が良くなってきた



配線に埋もれて見難いが足の黒くなったトランジスタが見える 特に日立C458は曲者なので交換しておく C1362/1364も黒くなっている
線が邪魔で交換は可也やり難い
此処までやってようやくカセットの音はまともになったが今度はFMに問題が…
この機体はまさに満身創痍状態


チューナ部を調整してもMPXの不良か左右の分離が出来ない モノにすればLchがミックスされ左右から音が出るがステレオではRchから小さな歪んだ音しか出ない Lchからはまともな音が出るが信号発生器からのR/L関係なくモノとなった音 L=RとするとRからレベルの低い歪んだ逆位相が復調される
MPX基板のトランジスタなどは正常そう このオレンジ色のモジュールが怪しくなってきた 701ESのLPFモジュールの時のような充填材の中には何が入っているのか?回路図は無ので良く分からない
カセットは良くなったので他 調べたが ライン入力出力、フォノ入力、AMは問題なさそう
今時の繊細な音ではないがアナログ的暖かい音がする あと一歩のところまで来たが…
もう少し調べてみるがFMはギブアップとなりそう

続く




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