T-411 修理依頼品 2

2025/10/13

”ドリフトする” 東京都 K 様修理依頼品
電源を入れて確認
FM愛知 80.7MHzを受信すると トラッキングはズレており STEREO LOCKED 表示はSメータ最大点から少しずらさないと点灯しない
Xtalロック動作はズレて動作するのか? 音声は出てはいる
暫く時間が経つと LOCKED 表示が消えた ドリフトするとは此の事だろう
マニュアルは無いので苦労しそう

中はそれなりに埃が溜まっている
取り敢えずトラッキング調整をしてみる
76MHz コア調整から始める 90MHz トリマ調整で問題が…
局発のトリマが不安定 バリコン自体も何か不安定


フロントエンド カバーを外して中を見てみる
局発のトリマは小型のミゼットバリコンが使われている
バリコンのシャフト側の接触が悪そう 安定しないの之が原因なのか?

ユニットを裏返した時 1.5C 同軸の芯線が切れたので 被覆を剥こうと同軸を引いたら GND側ハンダ付けが取れてきた テンプラぎみだったのか
この同軸はAFCコントロールの信号線と思われる

バリコンのシャフトの洗浄をしても症状は余り変わらない
他に原因がありそう 本機はXtal Lock が関係するのだろうか
回路図等は無いので Xtal Lock ついて調べると IFの10.7MHzと水晶の基準クロックと位相比較して フロントエンドの局発をAFCコントロールする方式となっている AFCコントロール電圧をモニタすると チューニングを変化させても 電圧が殆ど変化しない
Xtal Lock 基板に問題がありそう
基板を見ると TTL SN7490が多く使われている
IF側に5個 基準クロック側に3個構成となっている IC の足は黒くなっていたので磨こうと ICソケットから抜こうとすると ICピンが少し曲がっただけで 簡単に折れた ピンが錆びて脆くなっているので ことごとく折れた ソケット側に折れたピンが残っている
また ICソケットに接触していただろう ICピン先まで変色しており 接触不良も起こっていそうな状態だった
SN7490は3個 足が折れた 代替え 74LS90 は1個しか持っていなかった

(余談  74LS90は10進カウンタとして昔 仕事ではよく使った事はある)

IF 10.7MHz はSN7490 5個で 1/50000 され同調がピッタリ合えば214Hzとなる
基準クロックは214KHzで SN7490 3個で 1/1000 され 214Hz と位相比較され チャージポンプでAFC電圧としている様だ
スタンダードTTLは流石に古く 在ってもプレミアで単価が高いので 入手し易いLSタイプの SN74LS90 を手配中
AFC ポイントに電圧を印加すると +電位で局発周波数は下がり −電位で周波数は上がる動作となっている
現状76MHzを調整すると 90MHzでは局発の周波数がトリマ調整で(90MHz-10.7MHz)79.3MHzまで上がらない
Xtal Lockが正常に動作すればトラッキングは上手く調整出来そうな気がする

続く


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