AU-α907DR 修理依頼品


2017/1/21

”子供のいたずらでボリュウをくるくる廻された” 長崎県 H 様 修理依頼品 九州サンスイ特約店サービスで数年前にメンテをして今回修理依頼したが部品無い為断られたとの事
Xバランスアンプでは6連ボリュウムが使われアルプスのRK27特注VRは4連までで部品入手は困難となっている
東京光音製は8連まである様だが かなり高額 AU-α707iの時も苦労した
ストッパが利かなくなっただけと思っていたがシャフトがねじ切れていた これは厄介 フレームが使えないので抵抗体移植の組替えは出来ない
本機は非常に綺麗なワンオーナー機 20年以上大切に使われていた事がうかがえる



ボリュウムがどんな状態になっているのかばらしてみる シャフトがねじ切れたので抵抗体には傷は無いと思うが…



一段目摺導子ホルダは割れていてシャフトは変形してねじ切れている


各段の抵抗体は無事だった
さてどうしたものか… RK27の4連を購入し摺導子ホルダの長い方を利用してこの中央で折れたシャフトと4連側シャフトを合う様にカットし継ぎ足す作戦を立ててみた 2連を加工した方が安いが少しでも継ぎ足し部の負担が軽くなるようシャフトの長い物にしてみる 上手くいくだろうか?ストッパツメのある薄いものとストッパの無い長いものの組み合わせ+カラーで1段当り10mmの設計となっているようだ



三栄電波殿にRK27のシャフト30mm4連在庫品が在ったので購入 新品をばらしてシャフトカット加工は忍びないがやってみる
摺導子とケースは新品4個と古いもの2個の組み合わせで組み立てが出来そう 
1/23 ボリュウムが届いたので早速ばらしてみる
ハンディルータで緩み止めスピードワッシャ根元でシャフトをカット



4連を順にばらしていく



4段目摺導子中央になるようシャフトをカットして抵抗体を移植していく
4段目まで組み立った 折れたシャフトを継ぎ足す 丁度良い長さにカットしてホルダに芯出しをして接着 この作業はかなり集中力が必要
とはいいながらカンハイボールを飲みながらではあたが…



6連が完成 残った部材 


ボリュウムを本体に戻し動作確認 数年前にメンテしたとの事なので動作すると思うが測定してみる
本機は33Kg あり作業台移動が大変
両ch共半固定VRの一部が交換されている 奥のアイドルVRはオリジナルのままと思われる オフセット調整は古いXバランス機より簡素化され楽になっている





放熱器が十分暖まった時点でオフセットはLchが-27mV程 Rchは-3mV程特に問題は無いが調整しておく(かなりクリティカル)
歪は10W時 Lch 0.02%程 Rch 0.025%程 測定中に気が付いたが左右のレベル差が0.6dB程ある 気にならないレベルと思うがボリュウム組み立ての影響か?





調整が終わってカバーを付けている時に問題が…サイドウッドを付けようとすると右奥上のタップがダメになっている
バーリングタップネジ山が殆ど無い 仕方なくバーリング部を潰してM 5タップを通しておく カバーを開けた時何か膨らんでいるなと思ったがその時は余り気に留めていなかった 恐らくサイドウッドはM 5 キャップボルトの為強く締め付ける⇒カバー側が膨らみサイドウッドとカバーとの隙間が広くなる⇒詰めようと更に締める この悪循環でタップがダメになったと思われる
当て板をして叩き膨らみを修正 




音出し
音が生き生きとしてDENON PMA-2000Uとは格が違う (価格も2倍以上違うが)
CDP-701ESの良さを引き立たせるので聴いていて気持ち良い




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