A-7 修理依頼品 2


2024/3/13

”電源が入らなくなり ヤマハサービスに修理依頼したが 修理不能で返された” 京都府 M 様 修理依頼品 部品取りの方は動く様になったので 本機を調べる
依頼者のお話では 以前のヤマハサービス修理で バランスボリュウムが悪かったが部品が無いので バランスは直結にしてあるとの事
電源を入れてみると 一瞬電源ランプが点灯したが 直ぐ薄暗く点灯するようになり 動作はしない
中を見てみる
電源のミコンが交換された跡がある 何らかのメンテはされているようだが ハンダクラックは見られる…



バランスボリュウムを見てみる
摺動子は外れてはいなかったが 樹脂カシメは緩んでグラグラ この為摺動面に接触しなくなっている
エポキシで固定しておく
ヤマハでバランスボリュウムを直結にしてあるとの事だったが その様な改修は見当たらない
スイッチ基板に1本黒線が入れてあるが何だろう 何の為




電源トランス用の 位相制御基板を外してみたが トライアックや抵抗類など 外観上は問題無さそう
スライダックでAC入力を下げた状態で 制御基板の帰還入力を外し 外部電源で制御電圧を印加してみると トランス 2次の +B 整流電圧は制御電圧に応じて変化する 位相制御基板自体は動作していそう
正常動作品は +B 電圧は60V程だが本機は 30V位で電源ランプが非常に明るくなる  
サービスマニュアルが無いのではっきり分からないが ランプ駆動定電流と この位相制御は関係している様で 位相制御基板以外に問題が有りそう
 


麦球の配線が替わっているのが気になった 本来はラッピング用ポストにラッピングで巻きつけてあるものが 基板にハンダ付けで入線されている (基板パターンではポストと入線箇所はパラになっている)麦球を交換したのだろう 3個共替わっている



気になり麦球を外して オリジナルと思える麦球と比べてみた
オリジナルは冷えた状態で 6Ω程 交換されてたものは 18Ω程 オリジナル(右)は 6V 品 交換されたもの(左)は12V 品 と思われる
DC 6V で点灯させてみると 明るさに違いがある 流れる電流もオリジナルは 100mA 程 交換品は 50mA 程で違いがある
黒線が入れられていた基板には 不自然な渡りが入っている スイッチでも外したのだろうか 



位相制御基板のフォトカプラに外部電源で 制御電圧(電流)を入れ スライダックで+Bが50V程まで上げていくと リレーの動作音がした
AUXに入力を入れて 出力を見ると両ch出ている アンプ自体は動作している
位相制御自体は出来るのに 何故か誤差アンプとの組み合わせでは動作しない



回路図が無く 何が起こっているのか分からないので 回路を追ってみる  
パワーアンプ基板はステーが邪魔でパターンが追えないので アンプAssyをシャーシから取り外す
基板パターン面を写真に撮り印刷 部品を書き込み ランプ駆動の定電流と思われる部分と 電源の誤差アンプと思われる部分の回路図を起こしてみた 誤差アンプにプロテクト?が絡んでいそう 回路動作を考える
麦球周りも回路図にした ランプ定電流回路が腑に落ちない 追いミス?
スイッチ基板回路を追っていて気が付いた
スイッチ基板に入っていたヤマハの行った黒線の意味が分かった 恐らくその時は片chのみが不良だったので 不良側のみ直結となる様 1本入線した様だ




手書き回路図と実装図を見ながら 誤差アンプの部品を再度確認
テスタでトランジスタ ダイオード ゼナーなどの順方向のダイオードとしては確認したが ゼナーとして動作するかは未確認だった
ゼナーの片リードを外した方が回路に影響されないので 外して外部電源で抵抗を介して逆電圧を与え ゼナー電圧を確認
12Vゼナーがダメになっていた ステーやフィルムコンが邪魔で作業がし難い
ゼナーを取り外した 単体で調べてもダメだった 家に12V品が在ったので交換
之で動く様になるのだろうか NEC A-11 の電源も回路図が無いので苦労した



誤差アンプのゼナーを替えて 期待しつつ電源をいれてみた
ランプが明るく点灯して 何秒か後 リレーの動作音がした 正常になった様だ
電源で苦労したが原因が分かり 何とか成った
 



トーンのスライドボリュウムの摺動子も怪しいので中を見てみる
BASS TREBLE何れも摺動子は外れていた

続く






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